学習レベル:高校生 難易度:★☆☆☆☆
期待値は、確率変数の平均を表します。これは確率変数を入手した時、最も取りうる確率として高い値を表します。確率分布の中心を表し、統計的推定をする上で最も重要な情報になります。期待値には様々な性質、定理があるので一からしっかり勉強していきましょう!
期待値の定義
具体例で期待値を求めてみましょう!
サイコロの場合
確率変数と確率をまとめると次のようになります。
確率変数\(X\) | \(1\) | \(2\) | \(3\) | \(4\) | \(5\) | \(6\) |
確率\(\mathrm{P}(X)\) | \(\frac{1}{6}\) | \(\frac{1}{6}\) | \(\frac{1}{6}\) | \(\frac{1}{6}\) | \(\frac{1}{6}\) | \(\frac{1}{6}\) |
よって期待値\(\mu\)は$$\mu=1\cdot\frac{1}{6}+2\cdot\frac{1}{6}+\cdots+6\cdot\frac{1}{6}=3.5$$となります。
クジ引きの場合
あるクジ引きの内訳が以下のようになっているとします。
貰える金額(円) | 20 | 100 | 500 | 1500 | |
くじの本数(本) | 500 | 300 | 150 | 50 | (合計)1000本 |
このクジ引きの期待値を求めてみましょう!
まず、確率変数は\(x_{1}=20,x_{2}=100,x_{3}=500,x_{4}=1500\)となります。それぞれが当たる確率を\(p_{1},p_{2},p_{3},p_{4}\)とすると、くじの本数から$$p_{1}=\frac{10}{20},\ \ \ p_{2}=\frac{6}{20},\ \ \ p_{3}=\frac{3}{20},\ \ \ p_{4}=\frac{1}{20}$$となります。よってこのクジ引きの期待値\(\mu\)は$$\mu=20\cdot\frac{10}{20}+100\cdot\frac{6}{20}+500\cdot\frac{3}{20}+1500\cdot\frac{1}{20}=190(円)$$となります。
期待値のまとめ
期待値は確率変数の平均を表します。もう少し詳しく説明すると、期待値は確率変数に確率で重みをつけた重み付き算術平均となります。確率分布の中心を表す指標になるので、統計的推測を行う上で、とても重要な情報になります。また確率変数が離散型か連続型かで、期待値の求め方が和か積分かどうかが変わるので注意が必要です。
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