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確率関数・確率密度関数【違いと意味を解説!】

学習レベル:高校生 難易度:★☆☆☆☆

確率変数から確率を結びつけるための関数を確率変数・確率密度関数といいます。この記事では、確率関数と確率密度関数の違いを説明しながら、具体例を交えて解説していきたいと思います。分布の特徴を見出したり、統計的に推測するときには、確率関数・確率密度関数の情報は必須なので、とても有意義な記事になると思いますよ!

確率関数・確率密度関数とは

確率関数・確率密度関数
離散型の確率変数の値に対応する確率へ結び付けるための関数を確率関数といいます。 同様に、連続型の確率変数の場合は確率密度関数といいます。
 

※ 確率変数については<確率変数の記事>をご覧ください・
※ 離散型・連続型については<離散型と連続型の記事>をご覧ください。

確率関数と確率密度関数の違いはデータが離散型か連続型かだけの違いです。確率関数と確率密度関数それぞれの性質を見てみましょう!

離散型の場合

離散型の確率変数\(X\)の取りうる値を\(\{x_{1},x_{2},\cdots\}\)とします。\(x_{i}\)に対応する確率を\(f(x_{i})\)とします。まず確率の公理から

  • \(0\leq f(x_{i})\leq 1\)
  • \(\displaystyle\sum_{i=1}^{\infty}f(x_{i})=1\)

が成り立ちます。

離散型の場合は、確率関数はとても分かりやすいです。
まず、確率関数(確率)は\(0\)から\(1\)の間の値をとります。そして、全ての場合の確率を足し合わせると\(1\)となります

連続型も同じではなのですか?

実は連続型の場合では全然異なります。

連続型の場合

連続型の確率変数に対して、1点での確率に意味がないことは<離散型と連続型の記事>で説明しました。連続型の確率変数で確率を与えるためには、確率変数の範囲で与える必要があります。連続型の確率変数\(X\)に対応する確率密度関数を\(f(x)\)とします。このとき確率変数\(X\)が区間\([a,b]\)の値をとる確率は$$\mathrm{P}(a\leq X\leq b)=\int_{b}^{a}f(x)dx$$で定義します。確率密度関数は必ず$$f(x)\geq 0$$となります。確率密度関数は確率の公理から$$\int_{-\infty}^{\infty}f(x)dx=1$$が成り立ちます。

このとき注意しないといけないことは、
確率関数と異なり、確率密度関数\(f(x)\)は\(1\)以上の値をとることがあります。これは確率を積分による面積で与えていることに由来します。

具体例

この記事では離散型の確率関数を紹介します。サイコロを考えます。サイコロの取りうる値は\(\{x_{1}=1,x_{2}=2,x_{3}=3,x_{4}=4,x_{5}=5,x_{6}=6\}\)となります。このとき確率関数は$$f(x_{i})=\frac{1}{6}\ \ \ \ (i=1,\cdots,6)$$となります。

確率関数・確率密度関数のまとめ

離散型の確率変数と確率を結びつける関数を確率関数といい、連続型の確率変数の場合は確率密度関数をいいます。離散型・連続型それぞれで確率に対する考え方が異なることから、確率関数と確率密度関数では微妙に性質が異なります。どちらも、全確率変数の確率は\(1\)になりますが、確率関数は\(0\)から\(1\)の値を、確率密度関数は\(0\)以上の値をとります。

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