学習レベル:中学生 難易度:★☆☆☆☆
確率を勉強する上で、避けて通れない確率の独立性について解説していきます。確率の独立性の定義には、条件付き確率の定義を用いるので、条件付き確率が分からない方は、<条件付き確率の記事>をあらかじめご覧ください。
確率の独立性
確率の独立性について定義していきます。
もし独立性が認められるなら、計算がかなり楽になるので、
計算上、重要な性質になります。
独立性(independent)
事象\(A\)が起こる確率と、事象\(B\)が起こる確率が独立であるとは、$$\mathrm{P}(A)=\mathrm{P}(A|B)\ \ \ または\ \ \ \mathrm{P}(B)=\mathrm{P}(B|A)$$が成立することをいいます。確率の乗法定理を用いると、上の条件は次のように書き換えられます。$$\mathrm{P}(A\cap B)=\mathrm{P}(A)\cdot\mathrm{P}(B)$$
もう少し分かりやすくすると
事象\(A\)が出る確率は事象\(B\)による結果に左右されないときを独立といいます。
具体例
サイコロを振ったときに\(1\)が出る事象を\(A\)、\(6\)が出る事象を\(B\)とします。1回目に\(1\)が出た下で、2回目に\(6\)が出る確率を求めてみます。すると
\begin{align}
\mathrm{P}(A\cap B) = \frac{1}{36}
\end{align}
\mathrm{P}(A\cap B) = \frac{1}{36}
\end{align}
となることがわかります。さらに
\begin{align}
\mathrm{P}(A)\cdot\mathrm{P}(B) = \frac{1}{6}\cdot\frac{1}{6} = \frac{1}{36}
\end{align}
\mathrm{P}(A)\cdot\mathrm{P}(B) = \frac{1}{6}\cdot\frac{1}{6} = \frac{1}{36}
\end{align}
となることが分かるので、$$\mathrm{P}(A\cap B)=\mathrm{P}(A)\cdot\mathrm{P}(B)$$が成立するので、事象\(A\)と事象\(B\)の確率はお互いに独立であることが確認できます。
確率の独立性のまとめ
確率の独立性はある事象の確率が他の事象の確率に左右されない場合のことをいいます。確率の独立性は計算上便利なことが多いので、確率計算を行う際に重要な性質となります。この記事では2つの事象同士の独立性しか紹介していませんが、複数の次数の独立性も同じように定義されます。