学習レベル:中学生 難易度:★☆☆☆☆
確率を求めるとき、事前に何らかの情報が与えられている場合があります。
具体的に、あたり入りのくじを考えてみます。自分の前の人が[ハズレ]くじを引いたとします。このとき、自分が[アタリ]くじを引く確率が上がります。これは、前の人が引いたくじの情報が与えられているから、自分が[アタリ]を引く確率が情報が与えられていないときとは異なったものになります。
この記事では、事前に情報が与えられている下での、確率の導き方を解説していきます。
条件付き確率
早速、条件付き確率を定義していきましょう!
※ 測度論的に定義すると面倒(準備および必要な数学の知識量が多い)な内容になるので、本ブログではコチラで定義します。
具体例を用いて条件付き確率を見てみましょう!
2つの工場から作られた製品の中から1個取り出すとき、それが不良品である確率を求めなさい。
取り出した製品が工場A、Bでつくられたという事象を\(A、B\)とします。さらに、取り出した製品が不良品であるという事象を\(E\)とします。このとき、問題文から、
&\mathrm{P}(A)=0.30,\ \ \ \mathrm{P}(B)=0.70\\
&\mathrm{P}(E|A)=0.02,\ \ \ \mathrm{P}(E|B)=0.05
\end{align}
が成り立っています。全事象を\(\Omega\)として確率の加法定理・乗法定理を用いると、求めたい確率\(\mathrm{P}(E)\)は
\mathrm{P}(E) &= \mathrm{P}(E\cap \Omega) \\
&= \mathrm{P}(E\cap (A\cup B))\\
&= \mathrm{P}(E\cap A)+\mathrm{P}(E\cap B) \\
&= \mathrm{P}(A)\mathrm{P}(E|A)+\mathrm{P}(B)\mathrm{P}(E|B)\\
&= 0.30\times 0.02 + 0.70\times 0.05\\
&= 0.041
\end{align}
となるので、求めたい確率は4.1%となります。
※ 確率の加法定理については<確率の定義の記事>でご覧ください!
条件付き確率をマスターすると、確率でできることが広がります。条件付き確率はベイズ統計学の基礎となるので、人工知能や予測をしていきたい方は是非とも使いこなせるようにしてください。
条件付き確率のまとめ
条件付き確率は事前に情報が得られた下で、確率を求める方法です。条件付き確率を用いて、確率の乗法定理が求められます。条件付き確率はベイズ統計学の基礎になるので、予測や人工知能などを勉強していきたい方は是非とも押さえておきたい分野になります。