単調増加と単調減少【分かる数学】

学習レベル:高校生 難易度:★☆☆☆☆

関数の単調増加と単調減少
関数\(f(x)\)がある特定の区間内で単調増加、単調減少が定義されます。

・広義単調増加:\(x_{1} < x_{2}\)ならば\(f(x_{1}) \leq f(x_{2})\)が成り立つ。

・広義単調減少:\(x_{1} < x_{2}\)ならば\(f(x_{1}) \geq f(x_{2})\)が成り立つ。

・狭義単調増加:\(x_{1} < x_{2}\)ならば\(f(x_{1}) < f(x_{2})\)が成り立つ。

・狭義単調増加:\(x_{1} < x_{2}\)ならば\(f(x_{1}) > f(x_{2})\)が成り立つ。

 

簡単にまとめると
・\(x\)が増加した時、関数\(f(x)\)も増加すると単調増加
・\(x\)が増加した時、関数\(f(x)\)が減少すると単調減少

となります。

具体例(関数)

(1)\( f(x)=x^{2} \)について考えてみます。

  • \(x_{1} < x_{2} < 0\)のとき、常に\(f(x_{1}) > f(x_{2})\)が成り立つので、この範囲では狭義単調減少になります。
  • \(0 < x_{1} < x_{2} \)のとき、常に\(f(x_{1}) < f(x_{2})\)が成り立つので、この範囲では狭義単調増加になります。

(2)\( f(x)=1 \)(定数関数)について考えてみます。

\(x_{1} < x_{2}\)のとき、\(f(x_{1}) \leq f(x_{2})\)でも\(f(x_{1}) \geq f(x_{2})\)でも、どちらの場合も成り立つので、広義単調増加であり広義単調減少です。しかし\(f(x_{1}) < f(x_{2})\)も\(f(x_{1}) > f(x_{2})\)も成り立たないので、狭義単調増加でも狭義単調減少でもないことがわかります。

数列の単調増加、単調減少

数列の場合でも、関数と同じように単調増加と単調減少が定義できます。

数列の単調増加と単調減少
数列\(\{a_{n}\}\)の単調増加、単調減少は次のように定義されます。

・広義単調増加:\(n_{1} < n_{2}\)ならば\(a_{n_{1}} \leq a_{n_{2}}\)が成り立つ。

・広義単調減少:\(n_{1} < n_{2}\)ならば\(a_{n_{1}} \geq a_{n_{2}}\)が成り立つ。

・狭義単調増加:\(n_{1} < n_{2}\)ならば\(a_{n_{1}} < a_{n_{2}}\)が成り立つ。

・狭義単調増加:\(n_{1} < n_{2}\)ならば\(a_{n_{1}} > a_{n_{2}}\)が成り立つ。

具体例(関数)

(1)数列\( a_{n}=-n \)について考えてみます。

\(n_{1} < n_{2} \)のとき、常に\(a_{n_{1}} > a_{n_{2}} \)が成り立つので、狭義単調減少になります。

(2)数列\( a_{n}=1 \)について考えてみます。

\(n_{1} < n_{2}\)のとき、\(a_{n_{1}} \leq a_{n_{2}} \)でも\(a_{n_{1}} \geq a_{n_{2}} \)でも、どちらの場合も成り立つので、広義単調増加であり広義単調減少です。しかし\(a_{n_{1}} < a_{n_{2}} \)も\(a_{n_{1}} > a_{n_{2}} \)も成り立たないので、狭義単調増加でも狭義単調減少でもないことがわかります。

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